本作は辺境の小さな街ミルフェを拠点として、王女探索のためにカドラ廃坑と呼ばれる巨大ダンジョンの奥を目指すロールプレイングゲームです。
戦闘による主人公達の経験値育成を基本としながら、ヒロインや敵勢力、街の住民との関係性によって得られる能力の二大要素を駆使してキャラクターを成長させていきます。
そのぶん本作では相乗効果要素が多く含まれており、装備や召喚キャラの組み合わせのやりくりが楽しめるようになっています。また、『機能解放』によって、プレイヤーの操作慣れとキャラクターの成長に合わせた新しいゲームルールが途中追加されていくよう配慮し、ゲーム開始時は簡単な操作方法から遊べるようになっています。

シリーズ伝統であった能力振分システムを今作ではすべてのキャラクター能力値の固定上昇式に変更し、初心者でも成長させやすくルールを改善しました。
そのかわり従来の成長の自由さを、武具の錬成や新システムである『憑石』『機能解放』といった新システムを導入し、増えた装備枠の積み重ねや相性で望みの強さを目指します。
こういった重複するアイテムひとつひとつにも重要な成長素材として還元され、捕獲したモンスターの「装備」も含めて、全体的な収集の楽しみが強化されています。

「ミルフェ商工会」と「麝香紹介」との結びつきによって発生するミニクエストやキャラクターにの反応が変化したり、購入アイテムに影響が現れます。
街の勢力はどちらかの勢力のお店でアイテムを買ったり、人々とのやりとりやミニクエストの結果次第でも変化し、それぞれの勢力の状況で物語が分岐していきます。
セリカのパーティだけでなく、街勢力は街の人々にも変化のある要素であり、また街勢力の力関係で迷宮内でのとある変化に大きく影響を及ぼすこともあります。

レベル上昇による固定化された成長と別に、プレイヤーの任意でスキルや能力ボーナス、ゲーム状況の変化を調整することでゲーム内でできることが増えていきます。
また、成長に伴って合成強化といった機能も解放されていくため、ゲーム開始時からすべてのルールを覚える必要もなく、視覚的に成長できる楽しみも味わえるような初心者向けの配慮がなされています。
機能解放は迷宮移動がより快適になるものや、ヒロインが店を開くことができるもの、通常戦闘とは異なる法則性によってダメージを与えるものなど様々です。

原作にあるカドラ廃坑の基本イメージを引き継ぎつつも、すべての構造を一新。
さらに新キャラや新展開に合わせた原作にない新フィールドも多数追加しました。
エウシュリーではおなじみのＥＸ要素も過去作以上に物語と連動して盛り込みます。
画面は戦女神ＶＥＲＩＴＡタイプのフィールド移動をベースに、ゲームパッドでの操作に対応。ミニマップでの情報表示を大幅に強化し、目的を失わずに移動できるように配慮されています。
また、機能解放によってキャラクタースキルによる移動アクション（水中行動等）が増加。
マップ再訪問時のショートカットや、中には一定の機能がないと探索できないエリアも用意しています。

戦闘方法は戦女神シリーズ従来の戦闘システム『A.F.B.S(アクティブフレームバトルシステム)』のルールを踏襲しながら、仲間とのパーティプレイを基本に、最弱のセリカを仲間達が能力で補い支える戦闘バランスとシステムとしました。
低いセリカの能力を補うために積極的に魔物を捕獲したり、新機能の一つである「コンビネーション」によって仲間と協力し、より高いダメージを狙うなど、時間フレームによる行動選択のタイミングがより重要な戦闘システムを構築。
他にも憑石システム、女神化システムなど新要素との連動を基本に、敵の行動ルーチンなどにも変化が現れるよう、ゲームを盛り上げる設計を行っています。

主人公セリカの魂は女神アストライアの体と深くかかわり、力を失ったセリカの体は非常に不安定化しています。その状態はシステムにも反映されゲーム画面の左上の女神化ゲージの変化によって恩恵とも災難ともいえる効果を発揮します。
女神化はマップ探索や特定イベントによって進行し、セリカの能力は徐々に変化します。
ゲージが０に近づくと女神化が重度の進行を示し、物語上でのセリカの死に繋がる半面、強力な神の力が解放されたり、予知夢にも似た未来の啓示を得ることができます。
しかし、セリカのパラメータに制限が加わり、迷宮探索の中断を余儀なくされたり、女神の魅力に引き寄せられた強敵の登場頻度が高まったりします。

本作の新要素の一つ、「憑石（ひょうせき）」は、戦女神シリーズで特定の魔物が戦闘参加するシステム『召喚』『召聘』『支援』に加えた強化要素です。
今作は５０体以上の魔物を捕獲することができ、支配・契約した状態で石としてアイテムを所持します。この魔物達は『支援』で戦闘参加させる以外に、主人公や仲間キャラクター一人につき最大３体まで憑石化した魔物を「装備」させて、その力を得ることができます。組み合わせによって本体キャラの「弱点を補う」「長所を伸ばす」「奇跡的な変質による相乗効果」「相性が悪い」といった能力変化が表れます。